2023.02.13
利用者の製品に対する満足度を高める目的において、コンタクトセンターは重要な役割を果たします。ただ、近年は慢性的な人材不足に伴い、顧客満足度の低下に悩む現場が増えています。
その一方、人々の暮らしをより良いものへと変革させる概念「DX」が登場してから、CRMツールやチャットボットなど、便利なソリューションが提供されるようになりました。実際、業務プロセスを見直し、適切に業務やツールのデジタル化を図ることで課題を解決した企業もあります。
コンタクトセンターにおけるDXを推進させ、従業員および顧客満足度の向上に努めましょう。そのために必要な情報をまとめて紹介します。
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目次
一般社団法人日本コールセンター協会によると、コンタクトセンターとは電話に加えて、Eメール、Web、ソーシャルメディア、チャット、FAX、ハガキなどの手段で、顧客や消費者の対応を行う拠点・窓口のことをいいます。
昨今では顧客対応のための手段が多様化しており、DXについて理解し推進しなければ、人材不足または人員にかかる負担が増える可能性があります。
ビッグデータやAI、IoTなどのデジタル技術を活用し、人々の暮らしをより良いものへと変革させる概念のことです。ビジネスにおいては、業務プロセスの改善や商品やサービス、ビジネスモデルの変革を指します。
例えばコンタクトセンターでのDXを考える場合、運用の一部にAIを導入する取り組みなどが挙げられます。具体的には、通常はAI(人工知能)を活用したチャットボットやボイスボットによる自動応対を行い、クレームや緊急対応などのイレギュラーな場合は有人で対応するといったことが挙げられます。
DXが推進される背景には、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」が影響しています。レポート内では「2025年の崖」と称され、既存のシステムが2025年までに老朽化して、ブラックボックス化していくと予測されています。
コンタクトセンターも既存のシステムに依存せず、時代に合わせてIT技術やAI(人工知能)などへデジタルシフトし、業務を効率化させる必要があります。業務の自動化を進めることで、労働人口減少によるオペレーター人材不足問題も解決できるでしょう。
コンタクトセンターのDXに成功すれば、業務に割いている企業のリソースをほかのコア業務へ注力させることができます。また顧客をお待たせしないため、顧客満足度向上にもつながります。一方で、学習機能を持ったAIを導入し業務へと馴染ませるためには、ある程度の学習時間が必要です。
コンタクトセンターのDXを成功させるには、デジタル化を意識すべき箇所が6つあります。これらのデジタル化が成功すれば、従業員や顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
新型コロナウィルスの流行により、リモートワーク環境の有無が転職時の条件として重視されるなど、業務環境のデジタル化は優秀な人材を確保するためにも欠かせない条件となりつつあります。
在宅でコンタクトセンター業務を遂行できる環境の構築や、従業員同士で連携できるインフラ整備を進めることが重要です。
最初のステップとして、クラウド型のPBXを導入し、在宅環境に受電を転送できる仕組みを整えましょう。最終的には、採用面接や研修などもフルリモートで実施できるほうが望ましいです。
コンタクトセンターのお客様対応のみをデジタル化するのではなく、業務の裏側もデジタル化できます。商品やサービスの提供にあたっては、コンタクトセンターのみならず、社内外問わず連携する部門との調整やコミュニケーションが欠かせません。
便利なクラウドサービスなどを利用すれば、在宅ワークや遠方など、場所にとらわれない働き方ができます。これらを積極的に導入しデジタル化を図れば、業務工程(プロセス)が大幅に改善されるでしょう。
顧客対応における媒体のデジタル化を進めます。お客様対応窓口のチャネルが多様化しています。これまで電話やメールがメインでしたが、昨今では加えてSNS、チャット、Webサイトなども利用されています。そのため企業側も、これらのツールを使いこなして顧客とコミュニケーションをとることが求められます。
その際、重要なのが「ユーザーが知りたいときにいつでも解決できる状況」を作り出すことです。例えば、有人による電話のみでお客様対応を行った場合、電話がつながるまで顧客をお待たせすることになります。サービスからの離脱、および顧客満足度の低下にもつながるでしょう。
FAQサイトを充実させる、多くの手続きがWebサイト上やチャットボットとの対話のみで完結する、などチャネルを増やすことで、顧客満足度が向上するでしょう。
Webサイトやメール、電話など、コンタクトセンターで行われた対応履歴をデジタル化します。
有人対応を行っている箇所ならば、稼働時間や対応内容が蓄積され、適切な人員配置や必要な人員が把握できます。また顧客との対応内容を分析することで、顧客の要望に基づいたサービス改善にも役立ちます。
システムによっては、顧客が電話で話した内容を自動で文書化し、電子データで保存できる機能がついたものもあります。
コンタクトセンターは購入前~購入後を問わず、カスタマージャーニー上でいずれの場面でも顧客との接点になり得る重要なタッチポイントです。したがって、コンタクトセンターのデジタル化・多チャネル化を推進することはユーザーの場面や時間にとらわれない柔軟なアクセスを可能にし、顧客満足度向上への貢献を期待できます。
災害時における従業員の安全確保も企業の務めです。
特に在宅勤務などで就業場所がバラバラになっている場合、大きな災害や問題が発生した際、短時間で従業員の安否が確認できるシステムの導入が必要です。今では法人向けの安否確認ツールが多数提供されており、スマートフォン向けアプリやチャットを使ったツールもあります。
また在宅勤務の場合、つい就業時間が曖昧になりがちです。オフィスで業務を行っていた時と比較し、はるかに就業時間が長くなるケースもあります。そこで、就業時間や従業員一人ひとりの健康状態が把握できるシステムの導入も併せて行うのが望ましいでしょう。
コンタクトセンターのDXを進めるには、まずDXの目的をはっきりさせることが重要です。DXはあくまで仕事や生活をより良くする手段の一つですから、解決したい問題や目的なしに成功させることはできません。
自社のコンタクトセンターの問題点や課題を洗い出しましょう。コンタクトセンターで頻繁に挙がる問題や課題としては、人手不足で「あふれ呼」が多い、平均処理時間が長く、顧客満足度が低いなどがあります。問題点や課題をリストアップしたら、解決する優先順位を考えます。優先順位を決めることで、問題や課題が浮かび上がりDXの目的を明確化できます。
挙げた問題点や課題の発生源、またはどの業務プロセスやビジネスプロセスに変更を加えればいいのかを見極めます。
コールセンターにおける主な業務は、顧客対応・入力業務・人員配置などです。これらの業務プロセスを見直し、デジタルツールを導入することで解決できるなら、積極的に導入を検討しましょう。
問題点や課題を解決するための方法、またはデジタルツールの導入が決定したら、実際に計画を立てて実行します。
デジタルツールを導入するなら、システムの選定から導入後の試用期間、使用マニュアルの作成などを考慮しつつ、計画を立てます。新しいツールを導入するときには思わぬトラブルや想定外の事態がつきものです。計画を立てる際は、余裕を持って考えるのがコツです。
デジタルツールの導入が完了したら、そこで満足してはいけません。ツールの導入後も、導入前との変化を比較し、問題点や課題が解決されたか確認します。
大きく改善された場合は、費用対効果が高いツールが導入できたことになります。しかし結果が今ひとつ芳しくない場合は、さらに分析して改善点を探します。コンタクトセンターのDXは長期間にわたって行われるものです。
PDCAサイクルを迅速に回しつつ、業務内容やサービスを改善させましょう。
コンタクトセンターでの業務や業務プロセスは、便利なシステムやツールを用いれば、十分にデジタル化が可能です。特に顧客とのコミュニケーションにおいては、AIや通信技術が用いられた、便利なツールが多数提供されています。
チャットボットとは、AI(人工知能)が事前に設定したシナリオに沿って自動対応するチャットシステムです。よくある質問や受付、申し込みなどの案内が可能です。チャットボットで処理しきれない問題は、オペレーターにつなぐ設定をすることもできます。
チャットボットで解決できる問い合わせは、顧客を自己解決に導けるため、オペレーターの負担を減らすことにつながります。
AIの自動応答機能を用いた、電話対応ロボットです。ロボットが電話受付を担当するため、24時間365日の対応が可能になります。また通常の定型業務はボイスボットにお任せし、その他の複雑な対応や微調整のみ有人で対応するという形態が可能です。定型業務なら、これまでIVRシステムでも対応可能でした。しかし、学習機能を持ったAIであれば、顧客対応のデータを蓄積させることで、より複雑な対応ができるようになります。
次世代型のカスタマーサービスと期待されている、対面式の電話システムです。シェアが高い代表的なシステムといえばZOOMが挙げられますが、互いの様子をパソコンやスマートフォンの画面に映しながら会話ができます。
これまで、お問い合わせがあっても顧客の様子がわからないため解決に至らないケースがありました。しかしビデオ通話ツールなら、画面の共有やカメラで、相手の様子を映し出せます。顧客がどのような点に困っているのか確認しながら支援できるため、顧客満足度の向上に役立てられます。
スクリーンポップアップとも呼ばれ、顧客から架電があった際、画面の端に顧客情報を表示させるシステムのことです。オペレーターは、顧客の個人情報や過去の対応履歴を見ながら、臨機応変に対応できます。
DXとは、人々の暮らしをより良いものへと変革させる概念のことです。コンタクトセンターのDXを目指すことで、顧客とのコミュニケーションや業務工程のデジタル化が目指せます。時間に縛られない働き方や対応が可能になるため、従業員および顧客満足度の向上が期待できます。
ただしDXは、あくまで業務や顧客の生活をより良くするための手段の一つです。目的がないままDXを推進すると、導入したツールの費用対効果が低くなる可能性があります。
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参考URL:https://www.dcubic.jp/service/aiclerk/
ディー・キュービック株式会社は、1979年に設立されたコンタクトセンター運営・DX化の専門企業です。多様化するコミュニケーション環境の中で、アナログとデジタルでの「対話」から豊かな「顧客体験」を共創する企業として、クライアントの付加価値創造を支援しています。
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