2024.02.15
コールセンター(コンタクトセンター)で顧客から受電したにもかかわらず、速やかに応答できない状態が続いているというお悩みはないでしょうか。オペレーターが電話に出るのが遅れて顧客を待たせたり、つながる前に顧客が電話を切ってしまったりすると、顧客の商品・サービスや企業に対するロイヤルティは失われ、サービス品質の低下が懸念されます。こちらの記事では、コールセンター運営で重要な指標「応答率」について解説します。応答率が低下する主な原因や、向上させるための方法をお伝えするため、ぜひ最後までお読みください。
目次
初めに、コールセンターの重要な指標の一つである「応答率」の基礎知識を解説します。まずは以下で紹介する計算式から、自社の応答率を算出してみましょう。
応答率とは、コールセンターの入電数(着信数)のうち、実際にオペレーターが応答した通話の割合を示す指標です。電話のつながりやすさを表すものさしとして、多くのコールセンターで重要なKPIとして分析に用いられています。応答率の数値が高くなるほど、コールセンターが顧客からの問い合わせに漏れなく対応できている状態となります。その反対に、応答率が低いと電話の取り漏れが多く、顧客対応が十分にできていない状態と考えられるでしょう。多くの顧客が問題を解決できずに不満をため込み、商品・サービスを離脱するリスクが高まります。
なお、応答率と関連するコールセンターの指標として「サービスレベル(SL)」が挙げられます。サービスレベルは、応答率と同様にオペレーターが応答した通話の割合を示す指標ですが、応答するまでの時間に制限が設けられている点が大きな違いです。具体的には、「着信してから◯秒以内に◯%応答する」といった形で目標を設定します。目標の時間を過ぎて顧客を待たせた場合は、たとえ応答したとしても、目標値を達成したとはみなされません。サービスレベルを高めるためには、まずは応答率を高める必要があります。
コールセンターの応答率は、以下の計算式で算出できます。
応答率(%)=応答数÷入電数×100
例えば、1カ月の入電数が1,000件で、応答数が800件であれば、月単位の応答率は80%となります。自社コールセンターの応答率を確認してみましょう。
コールセンターの応答率の目標値や平均値は、業種によって異なりますが、一般的にコールセンターとしての水準を満たしているとされる応答率は90%程度です。応答率が90%以上のケースでは、顧客が電話で待たされるストレスを感じづらく、顧客の問題を速やかに解決するために必要な時間を最小限に抑えることができ、顧客満足度の向上が期待できます。一方で、応答率が90%未満の場合は改善のための施策を検討するべきです。特に80%以下のケースでは、問い合わせ数に対して対応可能なオペレーターが不足している状態です。業務が回っておらず、至急改善が必要といえるでしょう。また、電話がつながりにくいことでクレーム対応が増加し、満足度低下のリスクが高いのも注意点です。
コールセンターの応答率を把握し、課題が発見された場合には、その背景にある要因を特定することが大切です。ここでは、コールセンターの応答率の低下を招く主な原因について解説します。
コールセンターの平均的な入電数に対して、慢性的にオペレーターが少なく、電話対応のリソースが間に合っていないケースです。「あふれ呼」や「放棄呼」が発生する原因にもなり得ます。電話がつながらなかった場合、多くの顧客は再度コールセンターに架電します。そのため、入電数のさらなる増加を招き、応答率が低下するという悪循環にもつながりかねません。
コールセンターで1件あたりの電話応対にかかる時間が長時間化しているケースです。オペレーター1人あたりの対応件数が減り、結果として応答率が低下する可能性があります。「平均通話時間(ATT)」や「平均後処理時間(ACW)」などの指標が悪化している場合、この原因を疑うべきでしょう。電話応対が長引く背景として、オペレーターのスキル不足、マニュアル整備不足、問い合わせ内容の複雑化などが挙げられます。
さまざまな事情からコールセンターの入電数が急増して、応答率が低下するケースです。例えば、コールセンターの休業期間後やテレビCM放送後などのタイミングで、一時的に入電数が増加する場合があります。まずは入電数が急増する時間帯や用件を分析して、場合によっては呼量を平均化する施策を実施する必要があるでしょう。
最後に、コールセンターの応答率を向上させる改善策をお伝えします。多くのコールセンターが人員不足の状況にある近年は、システム導入によって応答率を向上させる施策も注目されています。自社の現状や業務内容に合わせて改善方法を検討しましょう。
オペレーターのスキルやマニュアルなどの資料、後処理対応の業務フローに無駄がないかを確認します。現状の業務フローを洗い出して見直し、改善点を探す取り組みが効果的です。例えば、問い合わせのカテゴリー分類の見直し、オペレーターのスキル評価が適切に行われているか、教育やトレーニングの機会提供、後処理対応時の無駄な入力項目の削減などを検討するとよいでしょう。
入電数に対してオペレーターの人数が不足している場合は、適切な人員配置が必要です。過去のデータを基に入電数を正確に予測しましょう。その際は、予測精度を向上させるために、入電数とほかの要因の関連性を調べる「回帰分析」を行うのも一つの手です。新規顧客数や商品販売数などのデータと照合して、入電数との相関関係をご確認ください。
人手不足が原因で応答率が低下しているなら、オペレーターの増員が求められます。ただし、オペレーターの増員は人件費の費用負担を増加させます。むやみに人員を増やすのではなく、前述の業務フローや入電数の予測精度向上に取り組んだ上で、戦略的に増員を検討するのがポイントです。
コールセンター業務に応答支援システムを導入すると、呼量の削減や業務効率化が期待できます。例えばFAQやチャットボットを導入すると、顧客の疑問を自己解決へと導き、呼量の削減が可能です。また、IVR(自動音声応答システム)やAI自動電話応答サービスの機能を活用すれば、電話窓口での受付や手続きなどを自動化できます。このほかにも、社内でリソースの確保が難しい場合は、アウトソーシングサービスを利用して一部業務の外注も検討すると良いでしょう。
ここまで、コールセンターの応答率について解説しました。応答率はコールセンターの電話のつながりやすさを示し、顧客満足度やオペレーターの負担に関わる重要な指標です。オペレーターの負担を増やさず応答率を高めるために、応答支援システムの導入もご検討ください。AIによる自動応答を導入すると、応答率の改善や顧客満足度の向上が期待できます。おすすめは、AI自動受付ソリューション「AI電話自動応答サービス」です。
「AI電話自動応答サービス」は、AIによって多様な電話応対を自動化します。オペレーターとAIのハイブリッド運用も可能なため、複雑な用件ではオペレーターに交代するといった柔軟な運用が可能です。人手不足や業務効率化といった社内の課題を解消し、「あふれ呼」や「放棄呼」を防止します。待ち時間の短縮により、顧客満足度の向上も期待できます。応答率の改善にお悩みのご担当者様は、ぜひお問い合わせください。
参考:AI電話自動応答サービス
応対品質の維持と対応自動化を両立するサービス
ディー・キュービックのAI電話自動応答サービスがコスパ最強
初期費用 | 月額費用 | 通話音声 テキスト化 |
サポート 体制 |
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ディー・キュービック株式会社は、1979年に設立されたコンタクトセンター運営・DX化の専門企業です。多様化するコミュニケーション環境の中で、アナログとデジタルでの「対話」から豊かな「顧客体験」を共創する企業として、クライアントの付加価値創造を支援しています。
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