2023.11.09
かつては会社で一人一台、設置されることも珍しくなかった固定電話ですが、最近の導入数は減少傾向で、なかには「廃止」に踏み切る企業もあります。変化の著しいビジネスシーンにおいて、固定電話が廃止される背景とその代替システム、さらに廃止するメリットとデメリットを知っておいて損はありません。今回は企業が注視すべき固定電話をめぐる動向とその対応について解説します。
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目次
2021年3月、総務省が公開した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表」によると、音声系固定通信の加入契約数は2020年時点で1,716万件となっており、2010年の3,957万件比べると2,000万件を超えて減少していることが明らかになっています。
出典:「令和3年版情報通信白書」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/
licensed under CC BY 4.0
固定電話が大きく台数を減らしている代表的な理由の1つは「コミュニケーション手段の多様化」であることが、上記の図からも読み取れます。例えば、2010年から右肩上がりを続けている移動通信の代表格はスマートフォンや携帯電話であり、社内でも携帯電話で対応するのが当たり前となったことは固定電話の需要を下げる一因であると考えられます。インターネットプロトコルを利用した「IP電話」も増加傾向にあり、モバイル・ブロードバンドの進展によるコミュニケーションの多様化がアナログ回線の必要性の低下に影響しているといえます。
さらにテキストや動画といった音声以外のコミュニケーション手段がビジネスシーンに浸透しているのも見逃せません。新型コロナウイルス感染症の拡大や働き方改革の推進によるテレワークの導入、普及によって業務用のSNSやチャット、オンラインビデオ会議ツールなどの需要が高まっています。そのため、固定電話の加入契約件数が減少していると考えられます。
また、2025年頃に公衆交換電話網(PSTN)の設備(中継交換機や信号交換機)が維持限界を迎えます。2024年1月1日以降、加入電話やINSネットといった固定電話サービスが廃止されることが決定しているため、その後も固定電話を使い続けるには設備を切り替える必要があります。このような背景も他のコミュニケーションツールへの「乗り換え」に拍車を掛けているとも考えられます。
固定電話を廃止することで得られる代表的な4つのメリットを紹介します。
固定電話は導入にかかる電話線の開通・設置工事といったイニシャルコストが発生するほか、運用するためには通信料などのランニングコストが発生します。固定電話を廃止できれば、このような費用を容易に削減できるのが大きなメリットといえるでしょう。各デスクに固定電話を設置しているにもかかわらず、営業などは別途支給されている携帯電話で連絡を取るといった無駄な経費の削減にもつながります。
携帯電話やチャット、メールなどは基本的に当事者同士が直接やりとりするため、電話のように「取り次ぎ業務」が不要です。そのため、円滑に業務を進めやすくなるうえ、従来は必要だった電話番も不要になります。一般的に電話番は他の業務と兼ねて担当するケースが多いため、担当者が本来行なう業務(コア業務)に集中できる環境を構築できることも業務効率化の実現につながります。
テレワークやリモートワークの浸透による「オフィス規模の縮小」や、働き方改革の1つである「フリーアドレスの導入」など、近年、オフィスそのものやレイアウトに柔軟性が求められるケースが増えつつあります。固定電話を廃止すれば配線や電話の設置場所に配慮する必要がなくなるため、より自由度が高いレイアウトを実現しやすくなり、固定電話番号の変更手続きなども不要になるのが大きなメリットといえるでしょう。
顧客対応が固定電話中心の場合、リモートワークの導入、移行が困難な環境といえるでしょう。リモートワークやテレワークの是非や有用性は業界や企業によっても様々ですが、BCP(事業継続計画)の観点からも在宅で働きやすい環境にすることは、今後の企業経営において重要なポイントであることは間違いありません。社外とのやりとりはインターネット回線を利用したビジネスフォンやビデオ会議を利用し、社内の業務連絡などはチャットやメールツールを利用するなど、目的によってツールを使い分けることが大切です。リモートワークが実施できる環境を整備することはDXを含めた様々な観点からも必要性が高いと考えられます。
固定電話を廃止する、もしくは導入しないことによるデメリットも存在します。そのなかでも代表的な4つのデメリットを紹介します。
多くの企業では自社の代表電話番号を固定電話で取得しています。そのため、固定電話を廃止すると同時に代表電話番号も失うということになります。固定電話の存在が会社の印象に影響を与える可能性はゼロではありません。そのため、固定電話を完全に廃止してしまうと、会社や人によっては信頼性を損なってしまうリスクがあります。そのため、固定電話は完全に廃止するのではなくホームページなどに記載するために代表電話番号は残しておくのが望ましいと考えられます。
固定電話を廃止する際、適切な通信端末の支給や運用体制を構築できなければ、従業員が個人の携帯電話を使って業務を行ってしまう可能性が高まります。
その結果、プライベートと仕事の情報管理が煩雑になり、業務で取り扱う機密情報や個人情報の漏えいといったリスクが高まるおそれがあります。また、従業員のプライバシー保護にも悪影響が及ぶかもしれません。業務用の端末を用意するなど計画的な実施が求められます。
会社で固定電話を廃止する前に導入を検討すべき代替サービス 固定電話を廃止する際は、その後の業務遂行を十分に考慮した代替サービス(代替システム)への切り替えが欠かせません。ここでは、固定電話のメリットはそのままに、廃止のデメリットを極力抑えることが可能な代表的な3つのサービスを紹介します。
クラウドPBXとは、インターネットを利用した電話回線サービスのことです。スマートフォンはもちろん、パソコンやタブレット端末で音声通信が可能なうえ、会社の代表電話にかかってきた電話を受けられるほか、内線にもつなげるなど、携帯端末でも従来の固定電話のように使用できるのが大きな特徴です。
IVR(自動音声応答システム)は、着信側は自動音声で選択肢を提示し、発信者が用件に応じて接続先を選択できるシステムです。スマートフォンであっても問い合わせ内容や用件に応じて、担当者に割り振れるため、在宅勤務はもちろん、コールセンター、営業電話などの幅広い電話業務をリモート環境であっても円滑に業務を遂行しやすくのがメリットです。
AIによって電話対応を自動化することが目的のシステムです。ボイスボットの一種として分類されることもあります。音声システムによって顧客との会話を分析し、自動で対話を進めることができるため、人材不足や機会損失、BCPといった課題解決につながると期待されています。
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会社の固定電話廃止をめぐる動向とその背景、廃止する際のメリット・注意点について解説しました。コミュニケーションに関連するデジタル技術の進歩や社会情勢を考慮すると、固定電話の必要性が急激に回復する可能性は高くはありません。現在は固定電話が社内・社外のコミュニケーションツールの中心である企業にとっても、廃止や削減が求められるケースは十分に考えられるため、その手法や代替システムについて理解を深めておき、いざというときに計画的に進められるよう備えておいてはみてはいかがでしょうか。
参考:AI電話自動応答サービス(https://www.dcubic.jp/service/lp/aiautocall)
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