コールセンターが抱える問題点とは?課題の解決策と改善までの流れ

2023.05.31

コールセンター運営では、日々さまざまな問題が発生します。問題を放置すると問い合わせ対応の質が低下したり、オペレーター負担が増加したりしてしまいます。そのため、日常業務を進めながら、適切に対処し解消していくことが重要です。

そこで今回は、コールセンターが抱える問題点やその解決策、改善までの流れやノウハウを解説していきます。コールセンターの業務改善をお考えの方はぜひ最後までチェックしてみてください。
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コールセンターで発生しやすい問題点

コールセンターには日夜問い合わせが舞い込むことから、さまざまな問題が発生します。まずは、コールセンターで発生しやすい問題点を確認していきましょう。

離職率の高さから人手不足になりやすい

コールセンターは離職率が高く、慢性的な人材不足になりやすい傾向があります。顧客からは質問だけでなくクレームが寄せられることも多く、応対するストレスが悩みになってしまい、早期離職しやすいということもあるようです。

早期離職が多いと、オペレーターの教育体制を整えることができず、スキルを持つ優秀な人員を確保するのが難しくなってしまいます。人員採用や研修の手間やコストは人件費と言う形で利益を圧迫してしまうため、この問題点の重要度は高いといえるでしょう。

業務効率や生産性が低くなりやすい

コールセンターでは電話応対やクレーム対応において、丁寧な接客が求められます。しかし、対応品質を上げるほど業務負担が重くなるとともに対応時間が伸びてしまい、生産性が低くなりやすい特徴があります。顧客対応以外にも後処理や報告の時間もかかるため、これらの効率化を図ることが必要です。

一般的に営業時間外の対応ができないことが多い

コールセンターにおいて、24時間対応を実施している組織は少ないのが現状です。しかし、顧客の満足度向上を考えると、サービスや商品によっては「24時間問い合わせ」などのサポートを提供できるに越したことはありません。従業員の負担を軽減しながらも、24時間対応できる体制を構築することが望ましいでしょう。

設定したKPIやKGIが活かされていないことがある

コールセンターにはKGI(Key Goal Indicatorの略で「重要目標達成指標」)やKPI(Key Performance Indicator」の略で「重要業績評価指標」)などの、目標達成までのプロセスを数値で測定することができる指標が存在します。しかし、目の前の業務に追われ、定点的なKPIの評価と管理まで手が回らないケースも散見されます。

多様化した問い合わせ内容や手段への対応が難しい

商品や部門によっては、問い合わせや手段が多様化したことで、対応が難しい場面が増えています。全てを電話上で応えようとなると幅広い情報と柔軟な姿勢が必要ですが、なかなかそこまでの人材を育成するのは難しい側面があります。

テレワークや在宅勤務に適応しにくい

コールセンターはセキュリティや情報共有の観点からオフィスに集約されており、テレワークや在宅勤務をさせることが難しい特徴があります。新型コロナウイルスが流行して以降、テレワークを導入できていないことは人材確保の面でデメリットといえるでしょう。

コールセンターの抱える問題点の解決策

ここまでコールセンターで発生しやすい問題点を列挙していきましたが、これらの問題点を解決するためには職場環境を整え、業務改善を行うことが重要です。具体的な対応策をチェックしていきましょう。

アウトソーシングやBPOを活用する

対応策の一つ目は、コールセンターの業務の一部を外部企業に委託することです。自社運営だけではどうしても対応できる件数や時間帯に限界が生じてしまいます。問い合わせ対応をアウトソースし新たな拠点を設ければ、それらの限界をクリアできるでしょう。

近年では「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」という業務プロセスの一部を企画・設計から実施まで一括して専門業者に外部委託する事例が増えています。ただし、アウトソーシングなどの外部委託を前提とした組織は「ノウハウやナレッジの蓄積が難しい」という問題が付きものです。ナレッジマネジメントのツールを導入するなどの対策が求められるでしょう。

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コールセンターシステムを導入する

コールセンターシステムとは、コールセンター業務をアシストするさまざまな機能をもったシステムのことです。通話記録や自動音声応答、文字起こしなど、オペレーターがこれまで手作業で行っていた役割を自動化することができるため、業務効率向上が見込めます。

代表的なシステムとしては、「CRM(Customer Relationship Management、顧客情報を蓄積し、顧客関係管理をサポートするシステム)」や「CTI(Computer Telephony Integration、コンピューターと電話・FAXを連携させるシステム)」が挙げられます。近年はこれらのシステムもクラウド型のサービスが増えてきたため、初期投資を抑えて導入することが可能です。

チャットボットやIVRを導入する

電話対応以外のツールを利用することで、電話での問い合わせ件数を削減できます。その代表的なものが、チャットボットやIVR(Interactive Voice Response、自動音声応答装置)です。

チャットボットはコンピューターが人に変わってチャットで対応してくれる自動会話プログラムのことです。あらかじめ用意したよくある質問や簡単な質問に対して自動で回答してくれるため、人手がかかりません。IVRは自動音声が電話上で対応してくれるプログラムのことです。銀行のテレホンバンキングなどで用いられており、顧客対応の効率を最適化できます。

KPIやKGIを設定して管理をする

KPIやKGIについては、設定したあとに管理をしなければ効力を発しません。
例えばコールセンターでよく採用されるKPIである応答率を見てみましょう。応答率とは、顧客からコールセンターにかかってきた問い合わせにオペレーターが応答できた対応件数の割合のことです。応答率を定点観測し、目標より低くなっている場合は十分な人員が確保できていない可能性や、業務フローが適正でない可能性があります。早めに原因を究明して具体的なソリューションを検討するためにも、KPIの定点観測は重要です。

職場の環境を整備する

離職率を改善させるためには、職場の環境を整備することも重要です。まずは、明るさや温度、湿度、騒音などに気を配り、快適な職場環境を作り上げましょう。こういったハード面の改善だけでなく、ソフト面においても改善を試みましょう。

業務マニュアルを作成したり、社内評価制度を整備したりすることで、従業員のモチベーション向上だけでなく、教育・指導力の強化によるサービス品質の均一化が見込めます。ハード面・ソフト面両方で働きやすい職場をつくり、離職率を改善しましょう。

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ホームページにFAQページを設置する

FAQページを設置することで、顧客の自己解決率の向上を促すことにつながります
コールセンターへ問い合わせのあった内容を集約し、代表的なものを「よくある質問」として、FAQページを設置しましょう。

コールセンターの問題点を改善するまでの流れ

具体的な対応策が分かったところで、ここからは問題点を発見してから、改善していくまでの流れを確認していきましょう。

Step1.自社の問題点や課題を洗い出す

まずは、自社のコールセンターの問題点や課題を洗い出すところから始めましょう。
問題点を洗い出すためには、先述した通りKPIを定点観測し、他社のコールセンターや目標値から乖離がないかをモニタリングします。また、スタッフへの聞き取りも行いましょう。その際は、スーパーバイザーなどの運営側だけでなく、オペレーターの意見も取り入れることが重要です。問題点に加えて、なぜ問題が起きているのかという原因も追究しておくと、適切な改善策を考案できます。

Step2.解決方法を決めマニュアルを整備する

アウトソーシングやシステムの導入など、前章でご紹介したような解決方法を決めた後は、それを一度導入してみましょう。この時に重要なのが、まずはスモールスタートで試してみることです。どの解決方法にもメリットとデメリットが存在するため、まずは自分が試してみて、コールセンターに本格導入できるのかを確かめましょう。また、導入する際には誰でも理解できるマニュアルを整備することが重要です。オペレーター全員が理解しやすいものを作りましょう。

Step3. Step2で決めた施策を実施して改善を繰り返す

解決方法は導入して終わりではありません。PDCA(Plan→Do→Check→Action)サイクルを回して、改善を繰り返していきましょう。その際に重要なのはやはりKPIの定点観測とスタッフへのヒアリングです。これらを実施し現状を把握した上で、状況に対してさらなるアクションを起こしましょう。

コールセンターの問題点はシステム導入で解決しよう

今回は、コールセンター業務の問題点と課題解決について解説しました。人手不足の日本においては、業務効率化のために、AIの導入による自動化が重要です。

AIクラークは、ディー・キュービックが提供するAIを活用した「お客様対応自動化」に関する一連のサービスを総称するソリューションブランドです。AIと人がそれぞれの得意領域を活かして業務改善の支援をいたします。

コールセンターをサポートするソリューションを導入して、問題解決を図りましょう。
参考:https://www.dcubic.jp/aiclerk/

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著者情報

ディー・キュービック株式会社 マーケティング部

ディー・キュービック株式会社は、1979年に設立されたコンタクトセンター運営・DX化の専門企業です。多様化するコミュニケーション環境の中で、アナログとデジタルでの「対話」から豊かな「顧客体験」を共創する企業として、クライアントの付加価値創造を支援しています。

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