2023.04.17
限られた経営資源で最大の成果を出す為には、「アウトソーシング」をうまく活用することが重要です。アウトソーシングとは、業務プロセスの一部を切り出し外部業者の専門業者に委託することを指します。近年は様々なアウトソーシングサービスが誕生し、定型業務をプロセス全て丸ごと外部の業者に業務委託するBPO(Business Process Outsourcing)という形態も生まれました。
この記事では、バックオフィス業務のアウトソーシングの具体的な内容やメリット・デメリットを説明します。実際にアウトソーシングする際の注意点も説明しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
「バックオフィス業務」は顧客と直接的な関わりがなく、社内で完結する人事や経理、財務、法務、総務、庶務といった業務のことを指します。まずは、アウトソーシングできるバックオフィス業務の内容をそれぞれ説明します。
営業事務は社内の営業担当が顧客との交渉をスムーズに進めるために、営業担当者の社内での事務作業をサポートする業務です。会社によっては「営業サポート」や「営業アシスタント」とも呼ばれます。
アウトソーシングできる具体的な業務内容は、市場や顧客の調査、社内会議資料の準備、顧客へ発行する請求書や発注書などの書類作成、受発注データの管理、コールセンターなどの問い合わせ窓口業務などが挙げられます。
総務・庶務は、会社の組織全体が効率よく動くよう、環境づくりなどのサポートを行う業務です。複数の部署の業務をスムーズに進めるため欠かすことのできない役割と言えます。
アウトソーシングできる業務の一例としては、備品管理や書類の仕分け作業、受付業務、オフィス管理などが挙げられます。
法務は、企業活動において必要となる法的知識をもとに、社内のコンプライアンスやリスクを管理する業務です。法的知識を持つ人材を確保するのはどの会社でもできることではないことから、アウトソーシングにより外部の力を借りることは有効な施策と言えます。
業務上発生する法的リスクの検討や、契約書の作成、知的財産権の侵害予防、コンプライアンスの体制整備などが、アウトソーシングの対象となる業務です。
経理は企業活動について発生する収入・支出を管理する業務です。また、財務は資金調達や将来に向けた投資など企業の資金運用を行う業務です。どちらも、アカウンティングやファイナンスなどの専門知識が必要となります。
アウトソーシングできる具体的な業務内容は、経理処理に必要となるデータの入力や請求書作成、給与計算、予算管理などが挙げられます。
人事・労務は企業内においてもっとも重要なリソースと言える人材を管理する業務です。採用から育成、評価、健康管理、福利厚生の管理など人材に関する業務を幅広く行います。
人事で採用面接の実施や書類処理、採用活動の代行など、労務では年末調整や社会保険の手続き、交通費精算、入退社の手続きといった業務をアウトソーシングするケースがあります。
バックオフィス業務をアウトソーシングすることで、社内の人数以上の成果を出すことが可能となります。アウトソーシングがもたらす主なメリットを3つ紹介します。
バックオフィス業務をアウトソーシングすることで、各業務にかかっていたコストの削減が図れます。特に社員を採用・教育するには多大なコストが発生します。アウトソーシングはそういったコストをかけることなく、専門知識を持った人材に業務を行ってもらうことができます。そのことから、人事が本来負っていたであろう業務量を減らすことができ、人件費を削減することが可能となります。
社内に足りないノウハウやスキルを取り込むことができるのも、アウトソーシングのメリットです。会計や法務などを代表として、専門知識が必要となる場面は企業活動において多く発生します。
しかし、働き方改革などが推進される昨今、業務をこなしながら専門知識を取得するための時間を確保するのは困難になりつつあります。そこでアウトソーシングを活用すれば、手間なく委託先の知識や経験を取り込むことができます。
会社の規模が小さい程、一人の社員がしなければならない業務の範囲は大きくなります。中には、日々の請求書作成などのバックオフィス業務に忙殺され、営業活動を行えていない営業社員もいるでしょう。そのような生産性が低い状態では、業務品質の向上も見込めません。
業務の一部をアウトソーシングすることで、社内の従業員が自身の強みを活かせる「コア業務」に集中できるようになります。結果として、業績の向上にプラスの影響をもたらすことができます。
メリットの多いバックオフィス業務のアウトソーシングですが、社外に業務を委託する上では避けられないデメリットも存在します。ここでは、アウトソーシングがもたらすデメリットについて3つ解説します。
バックオフィス業務をアウトソーシングすると、社内の従業員はバックオフィス業務に関して把握することが難しくなってしまいます。結果として、業務がブラックボックス化してしまう可能性があります。
業務フローや内容を理解できていないと、トラブルが発生した際に原因の特定に時間がかり有効な対策が打てないという事態も想定できます。
アウトソーシング先の管理体制がしっかりしていない場合、情報漏洩のリスクがあります。顧客の個人情報や財務情報、自社の強みとなっている商品開発のノウハウなど、企業において重要な情報は様々です。アウトソーシングするにあたり秘密保持契約を締結する、情報の管理体制を確認するなどの対策が必要となります。
育成にかける手間が省けるというメリットは、反対に「社内にノウハウが蓄積されづらい」というデメリットにもなり得ます。その為、アウトソーシングする業務はよく検討した上で取捨選択することが必要です。企業内にノウハウを蓄積させたいというコア業務については自社で完結させ、ノウハウの蓄積が必要ではないバックオフィス業務を選んでアウトソーシングするのがよいアウトソーシングの活用法と言えるでしょう。
では、実際にバックオフィス業務のアウトソーシングサービスを利用する際にどういったことを注意すればよいのでしょうか。代表的なポイントを6つ説明します。
まずは、アウトソーシングする業務について仕事の棚卸しを行いましょう。業務のプロセスを一つ一つ書き起こして明確にすることで、業務の無駄な部分が可視化され、効率を上げることができます。
プロセスが明確になった後は、どこまでの業務をアウトソーシングするかを明確に決めましょう。業務範囲の設定は、責任の所在を明確にして、トラブルを防ぐ効果があります。トラブルがあったときにも原因を特定しやすくなることから、アウトソーシング先と相談しながら、範囲を明確にしておきましょう。
情報漏洩を防ぐためには、まず自社のセキュリティ対策の実施状況を確認し、改善することが重要です。確認すべき事項は以下の通りです。
アウトソーシング先の情報管理体制も確認し、情報漏洩を防ぐ体制を整えましょう。
業者を選ぶ際には、再委託していない業者を選ぶようにしましょう。業務を再委託されてしまうと再委託先のコントロールが効きづらく、チェックが行き届かないことによるトラブルが起きやすくなります。また、業務におけるやりとりも一次委託先を挟まなければならないため効率が落ちます。委託先の業務体制を確認するようにしましょう。
バックオフィス業務は企業により詳細が異なります。その点において、自社のやり方にフィットした柔軟な対応を取ってくれる業者を選びましょう。良いアウトソーシングサービスを提供する会社はバックオフィス業務に関するノウハウも蓄積されています。ただ業務を受けるのではなく、すり合わせの中で業務改善の提案をしてくれる業者を選びましょう。
アウトソーシングサービスでは社内のように業務の推進状況をチェックできる訳ではないため、報告・連絡・相談が適正な頻度で行われる業者を選ぶことも重要です。情報提供をどのような方法で、どれくらいの頻度でおこなってくれるかは事前に確認しておきましょう。
今回は、バックオフィス業務のアウトソーシングについて解説しました。業務委託をすることで、自社のコア業務に従業員などのリソースを注力することができるようになります。バックオフィス業務に関する人材の採用・育成にかかるコストも削減できることから、上手く活用することで、企業は更なる成長を遂げることができます。
一方で、アウトソーシングする業務については社内にノウハウが蓄積されづらく、情報漏洩のリスクがあります。委託する業務と業者については、十分に検討した上で選定することが大切です。アウトソーシングサービスを活用し、効率的かつ効果的な組織作りを実現してみてはいかがでしょうか。
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